継承者の不在や墓の管理・墓参りの負担は大きい。維持できなくなった墓をどうするか。かかる費用や、必要な準備を含め、まずは“墓じまいのルール”を知ることから始めよう。
お寺との関係がよくない場合や、こじれてしまった場合、改葬に関する資料を集める手間を考えると、自力で墓じまいするのはやっぱり大変。そんなときは、墓の手続きに詳しい行政書士に任せるのも1つの手だ。
必要な書類は自治体ごとに異なり、書式もさまざま。墓の手続きを専門とする行政書士は、そうした書類の手続きに加え、お墓撤去の段取りや立ち会い、改葬先での納骨の段取りなど、ほぼすべての作業を行う。
墓じまいの手続き経験が豊富な大塚法務行政書士事務所代表・大塚博幸氏のもとには、全国から多数の相談が寄せられている。中でも多いのが、「お寺にあるお墓を永代供養墓か納骨堂に移したい」というものだ。
「霊園の場合、管理規約がしっかりしているところが多く、維持管理費のほかに寄付などを求めてくることはありません。しかし、お寺さんにお墓があるということは、そのお寺の檀家であるということ。お墓の維持管理費だけでなく戒名や法事でのお布施も必要ですし、寺によっては多額の寄付を求められることがあります。そのため、子供に同じ負担をかけたくない、今のうちにお墓を閉じてしまおう、と思われるようです。住職からお金のことで怒鳴られたという話もよく聞きます」(大塚氏)
寺との話の進め方も、相談に乗ってくれるというから頼もしい。
「お客様には、基本的にはもともとの墓地の管理者に了解を取っていただくだけです。お寺さんの場合は、もめないための話し方のアドバイスもさせていただきます」(同)
費用は事務所で異なるが、おおむね20万円以上はみておいた方がよいだろう。
※女性セブン2017年10月5日号