若者を中心にシェアハウスを選ぶ人が増えている。いろいろなコンセプトのものもあり、人気が高まってもいる。仲間がワイワイと暮らし、恋も生まれるのでは――そんなイメージもあるだろう。しかし、現在のシェアハウスには違う側面もあるという。
NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの大西連理事長は、「シェアハウスには貧困層が集まりやすい」と指摘する。
「アパートを借りる時はほとんどのケースで、ある程度の収入や敷金・礼金などの初期費用、保証人が必要ですが、シェアハウスは敷金・礼金が不要で保証人もいらない。そのうえ格安物件であるところが多いため、貧困層の受け皿になりやすいんです。ひとたび都心の物件に入居すると、家賃以外の食費や生活費などのコストがかかって何年経ってもお金が貯まらず、結果として貧困から抜け出せません」
似たような境遇の者同士が集まると、トラブルも起きやすい。
「そもそも文化や育った環境が異なる人が一緒に住むうえ、生活に困窮する人はコミュニケーションが苦手なタイプも多い。入居者同士でトラブルになりやすく、騒音被害や窃盗のほか、性暴力のリスクも否定できません」(大西さん)
懸念されるのは、一戸建てのシェアハウスが多いことだ。
「ネットカフェで起きるトラブルなら店員の目もあって可視化できますが、一戸建てだと内部で何が起きているのか、外部から見えにくく、トラブルや犯罪の温床となるリスクも。今後、このような形態の物件が増えることを危惧します」(大西さん)
※女性セブン2017年10月5日号