「夏のボーナスをすべてK-POPアイドルにつぎ込んだ」、「ディズニーランドにのめり込むあまり、ミッキーをきれいに撮るため、20万円の一眼レフを買った」――そんな驚くべき“浪費女”の実態を描いた『浪費図鑑』(小学館)が話題になっている。夫をなだめ、家事や育児と両立しながら自分の趣味にお金をつぎ込む“浪妻”の一人50才フルタイム勤務、自営業の夫とふたり暮らしのKさん。高価な着物と帯、結い上げた髪で銀座に出没するそんな彼女に話を聞いた。
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歌舞伎の世界というのは、観劇そのものにもお金がかかるのですが、それ以上に怖いのが“副作用”。例えば、ある程度歌舞伎をたしなんだ人は、着物で舞台に足を運びます。
それも1枚持っているだけではダメ。袷、単衣、薄物と季節に合わせて変わっていくし、それぞれに適した帯も用意しなければなりません。それも帯だけで50万円という世界です。
さらにのめり込むと、舞台の伴奏で使われる長唄三味線や日舞を習いはじめる人もいて、これがまたお金を食うんです。例えば三味線だと先生への月謝に加え、練習用の楽器も買わなきゃいけない。
少し上達してくると、発表会に出るようになりまして、そこで“本番用の三味線”という恐ろしい代物が出現します。
先生曰く、「50万円のなんて、買っても何の意味もないわよ。せめて200万円のものにしてね」ですって。目を白黒させながら、買ってしまいましたよ。
※女性セブン2017年10月5日号