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中国車を「模倣品」「パクリ」と見なす空気は世界にもうない

2018年発売予定の電気自動車「FF91」(写真:時事通信フォト)

 2016年に鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープを買収した際、日本のメディアは「EMS(電機メーカーから生産委託を受けること)で利益をあげている」と、ことさら“下請け企業”であることを強調した。なお鴻海は台湾の企業ではあるが、会長の郭台銘氏が中国にルーツをもち中国に大規模な工場をいくつも有していることから“事実上の中国企業”と見なされている。

 そのため当時は「あのシャープが中国の下請けに買収されるなんて……」と嘆く論調も目立ったが、買収されたシャープはそれまで2559億円あった赤字を10分の1に改善している(2017年3月期)。

 ショッキングなことに、「ものづくり大国・日本」の象徴であり続けた自動車でもその地位が脅かされている。経済ジャーナリストの福田俊之氏が語る。

「ひと昔前の中国メーカーは、モーターショーに出展された日本車のサイズをメジャーで測り、ネジを外して部品を持ち帰ったと噂されたほどでした。しかし、この10年で急速に進歩しており、世界で中国車を“模倣品”と見なす空気はありません」

 今後に目を向けるとその流れはさらに加速していきそうだ。中国は電気自動車(EV)を国レベルで支援している。EVの販売台数は2011年に7000台だったが2016年には約100倍の65万台を売り上げ、世界トップに躍り出た。

「ガソリン車の性能を向上させるにはエンジンに関する技術が必要なため、ノウハウがある日本に一日の長があります。しかしEVの基幹技術はバッテリーなので、中国に対する日本の優位性はないのです」(同前)

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