10月22日に投開票される衆議院選挙。「大義なき総選挙」などと呼ばれるなか、各党は女性票を獲得しようと、様々な政策を打ち出しているが、あまりにも急すぎる解散総選挙だったということで、投票先をじっくり考える時間もない。何を目安に、どこの誰に一票を投じればいいのか。
そこで各政党の女性向けの政策を以下にまとめた。
【自民党】
育児時間を確保するための時間外労働、休日労働の大幅減。2020年までに企業の指導的地位の人間に占める女性割合を3割に増やす。女性の健康を包括的に支援する法律制定。
【民進党】
総合的な子育て支援を実施するための「子ども家庭省(仮称)」の設立。児童扶養手当の拡充。単身高齢世帯女性への国民年金追加給付。女性の平均給与の底上げ。
【公明党】
幼稚園の保育料、私立小学校の授業料の負担軽減。不妊専門相談センターの設置箇所拡大。DV被害者の相談、保護取り組みの強化。パート主婦世帯の減税拡充。
【社民党】
選択的夫婦別姓制度の確立。男女格差是正のための「男女雇用機会均等法」の改正。母体保護法、堕胎罪の撤廃。認可保育園の拡充。産休中の所得保障額の引き上げ。
【共産党】
妊婦検診・出産費用の軽減。育児休業制度の拡充。乳がん、子宮がん検診、子ども医療費の無料化。不妊治療の保険適用の拡大。女性の年金受給額の底上げ。
【日本維新の会】
全ての教育の無償化。保育サポーター制度の導入。民間保育所の保育士の待遇改善。
【希望の党】
国民が多様な人生を送ることのできる社会を実現する。若者が希望を持ち、高齢者の健康長寿を促進し、女性も男性も活躍できる社会づくりに注力する(綱領より)。
自民党は出産一時金制度の拡充や、女性の健康を包括的に支援する法律の制定、高等教育の無償化などを掲げ、民進党は児童扶養手当の拡充、女性の平均給与の底上げ、出産で退職した女性の再就職支援を推進している。
他にも、社民党が選択的夫婦別姓、認可保育園の大幅増、マタニティーハラスメントの解消を、共産党が妊婦健診や子供医療費の無料化、女性の年金受給額の底上げを掲げるなど、各政党によって対女性政策は特色がある。元共同通信記者で政治ジャーナリストの野上忠興さんが語る。
「重要なのは、感性ではなく理性を働かせて投票することです。『北朝鮮問題で忙しそうで頑張ってるみたい』『スマートで爽やかでいいわね』というのは、見た目からの判断で、いわば感性。一方で、アベノミクスで景気は潤い、自分は満足な生活を送れているのか。この1年でどんな法律ができたか、政策を吟味して判断するのが理性。女性層は前者で投票しがちとされています。だからこそ安倍首相は女性受けを狙って目映りのいい政策を次々と打ち出し、大仰な物言いをするわけです。
気がついたら安保法制や共謀罪ができていたでは、文字通り『後の祭り』です。今回の衆院選は今後の日本の進路を決定づけるターニングポイントになる。あくまでも政策結果、つまり理性で一票を行使すべきだと思います」
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