敏感肌で、下着の素材によってはかゆみを感じる人や、加齢による乾燥性湿疹に悩んでいる人は意外と多いと思う。そんな女性特有の悩みを解消してくれる、股を締めつけないショーツ『Matarakucher』(マタラクチャー、5292円)が誕生した。開発者は、北九州在住の主婦、大見晃子さん。
大見さんは幼いころから皮膚が弱く、注射をすれば腕が腫れあがり、軽く日に焼けただけで水膨れになるなどの症状に悩まされてきた。中でもいちばん苦しめられていたのが、ショーツの締めつけだ。
ある日、ご主人に相談したところ、男性用のトランクスを勧められたという。男性用ということに抵抗感があったが、履いてみるとその心地よさにビックリ。そして、身近な人に訊ねてみると、同じような悩みを持つ人が多いことを知り、オシャレでデザインがかわいいレディーストランクスの商品化を決意したのだ。
地元の縫製工場を探し、社長に直談判。最初は断られたものの、再度頼み込んだところ、大見さんの熱意にほだされたのか、共同開発を了承してくれた。物づくりは初めての大見さんは、思いを形にしていく段階で何度も壁にぶつかり、心が折れそうになったという。それでも婦人下着のお店に通い、生地や縫製、デザインなどを研究し、約1年かけて、どうにか商品化に漕ぎつけた。
肌触りのいい生地を使い、低着圧なのにずり落ちない、蒸れにくく動きやすい形状は、下着や服飾デザインの専門的な知識がなかったからこそ生み出すことができた、画期的なアイテムとなった。
昨年末、『セレブリティショーツブランド リラックスショーツ マタラクチャー』というホームページを立ち上げ、宣伝を開始。今年1月に発売すると話題となり、テレビやラジオ、雑誌や新聞でも次々と取り上げられた。5月には、地元の病院の売店にも商品が並んだ。大きな反響を呼び、大見さん自身が驚いているという。
敏感肌で下着に困っている人が予想以上に大勢いることを知り、現在は、よりスキンケアに特化した商品を開発中だという。秋に発売予定の第2弾は、伸縮性のあるオーガニックコットン100%の生地を使い、リボンのないシンプルなデザインに改良。厳選された滑らかな生地は、触り心地が非常によく、心とカラダを解放してくれるはず、と期待されている。
50才で主婦から起業家となった大見さん。今後も、肌トラブルで困っている人の役に立つ商品開発をしていきたいと意気込んでいる。
※女性セブン2017年10月12日号