10月放送開始のNHK朝ドラ『わろてんか』。ヒロインの祖母を演じる竹下景子が、自身のドラマの役柄で感じた「トキメキ」と「お嫁さん」について語った。
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私が演じるのはヒロイン・てん(葵わかな)の祖母・ハツ。老舗薬種問屋を支える大奥様としての厳しさを持ちつつ、かわいらしさもある女性です。面食いで、孫娘の許嫁(高橋一生)のファンになって、お見合い写真を胸に忍ばせている。時折うっとり眺めては、「うふっ」なんてね。
実は私自身も、ハンサムな王子様キャラが好きなの(笑い)。学生時代は御三家の西郷輝彦さんに憧れていましたね。役を通じて久々に乙女心を思い出しました。いくつになってもトキメキって大事なんですよね。
若い頃に「お嫁さんにしたい女優No.1」なんていわれて光栄でしたが、当時の私はそれを不思議に感じていました。学生として上京してすぐにお仕事を始めたので、花嫁修業をしたこともなく、仕事に夢中でちっともお嫁さんになりたいなんて思ってなかった。ですから、このイメージを覆すドラマ『ソープ嬢モモ子シリーズ』に出演できたのはとてもうれしかったんです。実際30歳を過ぎてから結婚しましたしね。
うちの息子たちも年頃ですが、息子が「お嫁さんにしたい」と選んだ人なら、母親として全力で応援します。今は夫、息子2人、飼い犬までオスの男だらけの家庭なので、いつの日かお嫁さんが来てくれたら、一緒にショッピングや外食を楽しみたいですね。
◆たけした・けいこ/1953年9月15日、愛知県生まれ。1973年、東京女子大学在学中に出演したNHK銀河テレビ小説『波の塔』で本格デビュー。映画『男はつらいよ』シリーズでマドンナを3回務めるなど、女優として映画、ドラマ、舞台で活躍するほか、「国連WFP協会親善大使」などの社会貢献活動も行なう。
◆撮影/菅野パンダ 取材・文/渡部美也
※週刊ポスト2017年10月6日号