最新家電の凄すぎる機能に困惑の声も
最先端の家電には、最新機能が搭載されている。パナソニックの洗濯乾燥機はスマホで遠隔操作して自宅に帰った時にフカフカ状態になるよう設定できる他、東芝の電子オーブンレンジにはフランス料理「ドフィノア」をはじめ450種類もの自動調理メニューがある。
最先端機能の例はまだある。奥にしまってあることを忘れ、スーパーで同じ食材や調味料を買ってきてしまうのは、“冷蔵庫あるある”のひとつ。そこで「買い忘れ、重複買い防止」を謳うのが、東芝が冷蔵庫にオプションとしてつけた2万366円(メーカー直販価格)の「庫内カメラユニットHNW-RCB1」だ。
「“外出先からでも冷蔵庫の中が確認できればありがたい”というニーズを聞いて開発しました。中身の確認だけでなく、ドアの開けっ放しや、庫内の温度の異常を知らせる機能もついています」(東芝ライフスタイル広報担当)
しかし、無線LANの接続や会員登録が必要なことから、設置する人は限られてしまっているという。
「お客様に喜ばれると思って開発したのですが……想定よりも受け入れられていないのが現状です」
担当者の声はさびしげだ。最新のパンフレットからこの機能は削除されてしまった。家電ライターの折原一也氏はいう。
「失敗作を含め、他製品との差別化を図る努力が、日本家電のイノベーションを進めてきた。ただ、近年は機能が複雑化しすぎて“簡素でいいから安いものを”という消費者の声が増えているのも事実。メーカーは本当に必要な機能を見極める必要があると思います」
“かゆい所に手が届く”のは大いに結構だが、“余計な親切、大きなお世話”にならないでください。
※週刊ポスト2017年10月6日号