投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の9月25日~9月29日の動きを振り返りつつ、10月2日~10月6日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は上昇。北朝鮮情勢に対する警戒感が高まっているが、休みの間にミサイル発射等がなかったことで、週明けは一先ず買い戻しの流れが先行し、20400円を回復する場面もみられた。衆院解散を意識した政策期待が高まってきており、海外勢による買い等も観測されていた。
しかし、その後は北朝鮮情勢の緊迫化を嫌気した米国市場の流れや円高が重しとなり、こう着感の強い相場展開が続いた。週半ば以降は米ハイテク株のリバウンドのほか、米利上げ観測の高まりによる円安なども材料視されたが、上値追いには慎重であり、狭いレンジでの取引が続いた。また、事前予想通り衆議院が28日解散され、政策に関連する銘柄への物色が活発となった。
今週は衆議院選挙への思惑等が相場の変動要因になりそうだ。各党は、来月10日公示、22日投票の衆議院選挙に向けて、事実上の選挙戦に入った。民進党が希望の党に合流するなど、小池新党が台風の目となる。小池百合子氏は自らの衆院選への出馬については明確に否定しておらず、市場の関心は小池氏の電撃出馬といったところであろう。
小池氏出馬となれば、アベノミクス加速といったシナリオが危うくなり、消費増税の凍結ともなれば、格下げリスク等も警戒されてくる可能性がある。そのため、世論調査などの報道に振らされやすい相場環境になりそうだ。また、週末には防衛関連の一角が動意をみせていた。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)関連で北朝鮮軍の兆候がとらえられたとの報道もあり、朝鮮労働党の創立記念日10月10日を控え、北朝鮮情勢の緊張等も引き続き上値の重しになりそうだ。
その他、経済イベントでは10月2日に日銀短観(9月調査)が発表される。コンセンサスは大企業・製造業DIがプラス18と前回6月調査に比べて1ポイント改善する。海外では2日に9月の米ISM製造業景況指数、4日に9月の米ISM非製造業景況指数、5日に8月の米貿易収支と製造業受注、6日に9月の米雇用統計が発表される。その他、4日にイエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長が講演するほか、2日の医学生理学賞を皮切りにノーベル賞受賞者が発表される。なお、2-6日の中国株式市場は国慶節の祝日のため休場となる。