投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が10月2日~10月6日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はやや底堅い動きとなる見込み。米国の重要経済指標がいくつか発表されるが、前回実績を下回る予想が多いことから、リスク選好的なドル買いは一服する可能性がある。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融正常化の方針を維持しており、日米金利差拡大の思惑は後退していないこと、トランプ政策進展への期待は持続しており、これらはドル相場を支援するだろう。
今週発表される9月米ISM製造業景況指数、9月米ISM非製造業景況指数、9月米雇用統計などの重要指標は、一部を除き前回下振れの公算。9月雇用統計の非農業部門雇用者数は前月比+7.5万人にとどまると予想されているが、イエレンFRB議長を含めたFRB当局者は金融正常化の姿勢を崩しておらず、年内追加利上げ観測は後退していないことから、短期筋などのドル買い・円売りは継続する見込み。
一方、10月22日投開票の日本の衆院選も注目されやすい。躍進が見込まれる新党・希望の党の小池百合子代表が東京都知事を辞任し、衆院選に出馬する可能性はくすぶっており、国内政治の先行き不透明感は強まることから、リスク回避的な円買い材料として意識されよう。
また、スペインのカタルーニャ独立の問題が収束した場合、欧州政治不安は和らぎ、ユーロ買い・米ドル売りが強まる可能性がある。この影響でドル・円の取引でもドル売り・円買いにつながりそうだ。北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる米朝対立への警戒も根強く、リスク回避の円買いが大幅に縮小する可能性は低いとみられる。
【米9月雇用統計】(10月6日発表予定)
10月6日発表の米9月雇用統計は、失業率4.4%、非農業部門雇用者数は前月比+7.5万人、平均時給は前年比+2.6%と予想される。非農業部門雇用者数は小幅な伸びにとどまる見込みだが、賃金の伸びが予想を上回った場合はドル買い材料になるとみられる。
・10月2日-6日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。