プロ野球・ドラフト会議の1位重複指名は、1989年の野茂英雄と1990年の小池秀郎の8球団が過去最多。しかし早稲田実業・清宮幸太郎(18)はこれを上回る可能性が高いと見られている。スポーツ紙のデスクがいう。
「10球団指名どころか、全12球団指名もありうる。地元・広陵の大型捕手・中村奨成が本命と噂される広島、大型一塁手がだぶつくオリックスは指名回避と見られるが、確実ではない。清宮は“30年に1人”の逸材。観客動員だけでなく、グッズ売り上げ、放映権料の増額などで向こう5年、10年の球団収益をハネ上げる存在です。クジ運次第で獲得チャンスがあるのに、“カネのなる木”が他球団にもっていかれるのを指をくわえて見ていられるはずがない」
史上最多記録となる高校通算111本塁打以上の価値が、清宮にはあるというのだ。「運命の日」に備え、マスコミ各社も臨戦態勢をとっている。ドラフト会議を生中継するTBSの関係者がいう。
「昨年の平均視聴率は11.0%。毎年10%前後の数字を見込んでいる。日本ハムが早大の斎藤佑樹を引き当てた2010年の瞬間最高視聴率が17.2%だったことを考えても、今年は20%を超えてくる。番組の取材スタッフを総動員、清宮の関係者にもアプローチをしている。ドラフト会議後の『お母さんありがとう』特番も清宮シフトを組むことになりそうです」
他メディアも準備に忙しい。
「新聞各紙は速報ニュースや号外を打つ準備を進めているし、テレビ各局も清宮の恩師・友人などをしらみつぶしに取材している」(前出・スポーツ紙デスク)
プロ球界にとってもスポーツメディアにとっても、まさに「怪物級」の存在なのである。
※週刊ポスト2017年10月13・20日号