国際情報

中国が北朝鮮に制裁 技術流出恐れ留学生の受け入れ中止に

中国政府が北朝鮮に対する独自制裁発動

 北朝鮮の度重なるミサイル発射や6回目の核実験実施にともない、国連安全保障理事会が北朝鮮に厳しい制裁措置を決定するなか、中国政府も北朝鮮に対する独自制裁を実施。中国の大学が今年9月の新学期から北朝鮮留学生の受け入れや奨学金の支給などの優遇措置を一部中止していたことが分かった。

 受け入れ中止の対象は主にミサイル製造や核開発に関係がある応用物理学や材料科学、原子力工学、航空宇宙工学、機械工学と電気工学などだ。奨学金支給を打ち切られた留学生が、北京の北朝鮮大使館を通じて中国政府に抗議する事例も報告されるなど、中朝関係悪化の一因にもなっている。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。

 北京のある大学の留学関係部門の担当者は同紙に対して、この大学が物理や材料科学分野における北朝鮮の留学生の受け入れを今年は中止したと言明。さらに、9月3日の北朝鮮の6回目の核実験実施以降、在学している北朝鮮留学生が監視対象となっており、中国当局によって言動をチェックされるとともに、大学内の重要機密が集まっている研究室や教員の部屋などへの立ち入りが禁止されているという。

 中国人民解放軍直轄で、中国では軍事科学分野の最高水準な研究で知られるハルビン工科大学は2011年に平壌の金日成総合大学と「友好協力関係」を締結。2013年から大学院博士課程で、北朝鮮の留学生受け入れをスタートしており、今年7月には初めて博士課程修了者を出した。同大学では北朝鮮留学生の学費は全額免除で、生活費なども一部支給してきたが、今年から留学生の受け入れを制限したほか、奨学金も減額している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン