2018年放送の大河ドラマ『西郷どん』は、明治維新150年の節目を彩る記念番組。NHKも力が入る同作だが、出演が予定されていた斉藤由貴が不倫騒動の影響で降板を発表し、ドタバタが続いている。
原作は林真理子氏、NHK大河としては『花燃ゆ』以来3年ぶりの幕末もの。来年は明治維新から150年の節目にあたり、記念事業との相乗効果も期待されている。地元・鹿児島県への経済効果も今年の『おんな城主 直虎』をはるかに上回る300億円以上と試算されている。
ただ『西郷どん』をめぐっては、斉藤の降板以外にも現場の苦労をうかがわせる話が存在する。主役の西郷隆盛を演じるのは34歳の鈴木亮平。決まるまでの過程が異例だった。昨年9月の制作発表の直前、「主演は堤真一に内定」とスポニチが“スクープ”。「話題づくりの狙いもあって堤の名前が先行して伝わったと見られるが、結局、堤の出演は実現しなかった」(前出の関係者)というドタバタを経て、鈴木が抜擢されたのだという。
“突然の主役起用”をうかがわせる状況もある。鈴木は10月5日に初日を迎える舞台作品で主演を張り、月末までに25公演が予定されている。通常、長丁場の大河ドラマの主役を務める俳優はクランクイン後はまとまったスケジュールを入れないのが慣例だ。
「おそらく、舞台の仕事が入ったのと前後して大河ドラマのオファーがきたものと考えられます。鈴木サイドとの交渉開始が遅れたこともあって、“ダブルブッキング”をNHK側が呑んだのでは」(芸能ジャーナリスト・佐々木博之氏)
NHK広報部は堤の主演内定情報について「報道は承知しているが、内定の事実はない」とした上で、鈴木の舞台出演について「別の仕事をしてはいけないという取り決めはありません」と説明する。
※週刊ポスト2017年10月13・20日号