多数の球団からドラフト1位の重複指名が確実視される早稲田実業の清宮幸太郎(18)は、プロ志望を表明した会見で意中の球団を明言しなかった。その一方で「868本のホームランを目指す」と、早実の先輩である王貞治氏を目標に掲げた。
南海ホークス時代は俊足巧打でならし、ダイエー時代にコーチ経験もある野球評論家の藤原満氏がいう。
「これは“ソフトバンク逆指名”のようなものですよ。王会長がいらっしゃる限り、高校生からそこまでいわれたら指名するしかない。ホークスは育成システムがしっかりしているし、柳田(悠岐)のフルスイングをみれば分かるように自由に育てる雰囲気もある。DHがあるから出場機会も増える。ソフトバンクが一番向いています」
この意見に異を唱えるのが熱狂的ジャイアンツファンのヨネスケ氏だ。
「王さんといえば巨人。868本塁打も巨人での実績です。清宮には伝統のユニフォームが一番似合いますよ! 彼には向こう20年、巨人のファーストを任せたい。阿部(慎之助)はレフトに回ってもらおうよ。巨人は客が入るほど強くなる球団です。華がある清宮は巨人に向いているし、清宮が入れば巨人も強くなる」
そうはいっても、最近の巨人はドラフト競合のリスクを避け、即戦力を単独指名してばかり。巨人の元エース、城之内邦雄氏は「外れのリスクがあっても獲りに行くべき素材」と断言する。
「打撃センスは言うまでもないが、東京出身というのがいい。巨人は全国区といえど、やはり東京のチーム。江戸っ子が活躍すると盛り上がるんです」
※週刊ポスト2017年10月13・20日号