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「トランプ訪朝」実現なら“日米の絆”は幻想だったと露呈

安倍首相は「蚊帳の外」か(写真:時事通信フォト)

 安倍政権は北朝鮮について対決姿勢を鮮明にしている。それは「アメリカの後ろ盾」を前提にしたものだが、その前提が崩れようとしている。かつて訪朝して金日成と会談したことがあるジミー・カーター元大統領が「私が大統領だったら平壌に行くか、最側近を今すぐ派遣する」と述べ、にわかに「トランプ電撃訪朝」へ向けた動きが見え始めたからだ。さらにアメリカはスイスのジュネーブやオスロなどで北朝鮮側と非公式に接触。それは「米朝国交正常化」への動きではないかと見られている。

 トランプ氏の訪朝は北朝鮮を事実上「核保有国」であると認めるものとなり、日本の安全保障に“地殻変動”をもたらしかねない。もし、これが事実なら、米国外交の“裏の方針”を安倍晋三首相が全く把握していない可能性が高い。

 この構図は45年前の「ニクソン・ショック」と酷似している。1972年2月、米国大統領として初めて訪中したニクソン氏は、中国の毛沢東・主席と20年にわたる敵視政策を転換する「米中共同宣言」を発表した。

 ニクソン氏が訪中を電撃発表したのは前年1971年7月。その数日前、当時大統領特別補佐官だったキッシンジャー氏が極秘に中国を訪問し周恩来・首相と会談。ニクソン訪中の同意を取り付けていたことが後に明らかになっている。

 訪中発表の数か月前には、ニクソンと安倍首相の大叔父に当たる佐藤栄作・首相(当時)が会談して両国の緊密な連携を確認したばかりだっただけに、日本にとっては寝耳に水の大事件で、“ニクソン・ショック”と呼ばれるほどの衝撃を与えた。これを機に、対中関係改善に消極的だった佐藤政権に対する批判が強まり、同年7月、佐藤内閣は総辞職に追い込まれた。

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