女性セブンの名物記者“オバ記者“こと野原広子が、世間で話題になっているトピックに自由な意見をぶつける。今回のテーマは、小池百合子都知事だ。
* * *
「私は東京都知事として小池百合子を推したから“都民ファースト”にも投票したの。あげた票、返してよ」
小池さんの新党結成会見の日から、私の友人たちは本気で怒っている。「結局、都知事は総理大臣になるための踏み台? 都民をコケにしてるわ」と“元支持者”宣言よ。
その一方で、「政界渡り鳥とかいわれていたのに、今や自然界の頂点にいるワシかタカだね」と呆れつつ、微妙な拍手をする人もけっこういるんだわ。
今年の2月には“希望の党”の登録をしていたというから、こうなることはずっと前から考えていたのよ。あとは、いつ都知事の席を蹴飛ばすか。さすがの小池さんも1年前に東京都中を緑色に染めただけに、言うタイミングを見計らったのね。
何度も街頭演説を聞いて、そのたびに私が感じるのは、彼女の恐ろしいほどの平常心。秋葉原駅前で野次を飛ばされ、「こんな人に負けるわけにいかない」と熱くなっちゃった安倍総理とは大違いで、今まで口が滑って謝罪したことって、あったかしら。
とはいえ、大勝負に出た今回ばかりは、前回までとは様子が違ったね。むくんだ顔でテレビに映るのも、奥歯にものがはさまったような受け答えも“らしくない”のよ。
「三ケタの議席を目指す」と言いつつ、「しがらみのない政治」をしたいという。…大組織のボスたちに会ってしがらみ作り? 言っていることと、やっていることがチグハグよ。
いや、これが“永田町の言葉のあや”なら、見なかったこと、聞かなかったことにしてもいいよ。けど、見逃せないこともあるの。
都知事選挙の街頭演説で、「五輪の予算がどんどん膨ふくらんでいったのはおかしい」と言っていたけど、その真相は? 豊洲市場移転を「いったん立ち止まって精査する」と決めたけど、その功罪は?
1年前、小池さんを東京都の“希望”と見て投票した291万2628人の都民は早く聞きたいと思うな。
※女性セブン2017年10月19日号