全国の小中学校で行われている運動会に異変が起きている。危険だからと組体操が大きく内容を変えたり、パン食い競争が「食べ物を残してはいけない」「喉に詰まる」などの理由で中止になったりしている。そして、「平等主義」も着々と広まっている。
「徒競走は事前にタイムを計り、速い子同士、遅い子同士で競わせる学校もあります」(教育評論家の親野智可等氏)
遅い子が自らの遅さを“実感”するのも意味のある教育では……という考え方はもう古いらしい。
足の速い子を“選抜”するクラス対抗リレーはさらに様変わり。「“特定の個人が目立つのはよくない”とのクレームが出るから、クラス全員が参加するようになった。一人ひとりの距離は短いのに、ゴールするまで時間ばかりかかる」(埼玉・中学校教師)というから盛り上がるはずもない。
また、年輩の父兄ほど馴染めないのが「プログラム名」そのものだ。「50m走」のようなわかりやすい表記は少なくなっている。
「生徒たちがアニメをもじった競技名をつけるのが流行りです。徒競走が『進撃の巨人』から取った『進撃の〇〇』となったり、大縄跳びが『君の名は。』をもじった『君の縄』になるので、親御さんたちには何のことやらわからないと思います」(兵庫・中学校教師)
もはやプログラムの意味をなさないが、当人たちが楽しいならそれでよし……と納得するしかない。
※週刊ポスト2017年10月13・20日号