「Siri」や「ワトソン」など、人と会話ができるAI(人工知能)技術は目覚ましい勢いで進化を遂げているが、そうした頭脳を詰め込んだロボットは近い将来、われわれの生活に欠かせない存在となるのだろうか。10月6日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれている「CEATEC JAPAN 2017」で、当サイト記者がその親和性を探ってみた。
最初に訪れた日立製作所ブースでは、“人と共に生きる”をコンセプトに開発が続けられているヒト型ロボット『EMIEW3』がいち早く記者を察知し、「こんにちは!」と腕を上げてお出迎え。撮影しようとカメラを構えると、「記念撮影しますか?」とポーズまでとってくれた。
EMIEW3は頭部に14個のマイクが搭載され、雑踏の中でも人の声を聞き取る能力がある。また、4つの車輪で最高時速6km/hで移動できるため、ロボットのほうから人に近寄ることができ、たとえ倒れても自ら起き上がる。
「銀行での接客業務や、駅・空港など人がたくさん集まる場所での案内業務はそつなくこなせます。手で紙を持つこともできるので、移動しながら新規オープン店の呼び込みをするなんてシチュエーションもあるでしょう」(日立製作所の担当者)
今回、日立ブースでは高齢者と一緒に過ごす球体型ロボットのコンセプトも展示。「クスリはちゃんと飲みましたか?」と話しかけたり、人の表情に合わせて笑ったり驚いたりする機能も備える。「ゆくゆくは高齢者とのコミュニケーションでデータ化された情報を家族や医療機関に報告して認知症の予兆を発見できないかと考えています」(前出・担当者)