希望の党を立ち上げ、衆院選の中心に立つこととなった小池百合子・東京都知事。昨年12月、『JAPAN WOMEN AWARD2016』の授賞式で「女性だから苦労したことは?」と聞かれて、「ありません!」と即答した。
女性政治家に多いのが、やたらと「女性目線」をアピールすること。しかし、小池氏は「大事なのは、女性の目線ではなく、国民に目線を合わせること」と言い切る。
初の女性防衛大臣になったときも、初の女性東京都知事になったときも、いつも小池氏は「女性で初めてだろうが関係ありません。男だろうが女だろうが一緒でしょ?」というのが常套句だ。
一方で男社会の永田町では「女のくせに」という嫉妬から、デキる女性ほどいじめられることもあると、『挑戦 小池百合子伝』(河出書房新社)の著書がある作家の大下英治さんが指摘する。
「小池さんは、『永田町の男の嫉妬ほど怖いものはないわ。“嫉妬”という漢字は両方とも女ヘンだけど、男ヘンに変えるべきよ』とよく話します。彼女は男以上の度胸の持ち主です」
昨年の都知事選で、石原慎太郎氏(85才)から「年増の厚化粧」とこき下ろされたとき、「顔のアザを隠すため」と冷静に切り返し、多くの女性を味方につけたことは記憶に新しい。
小池氏の秘書を長年務め、小池氏の自宅に同居したこともある「都民ファーストの会」の荒木ちはる代表が言う。
「7年間の秘書時代、実は一度も怒られたことがないんです。率直な意見を言っても、まずは笑顔で“いいわね”と切り出してから、話を始める。“怒り”を違うエネルギーに変えているんだと思います」
今年2月に松任谷由実(63才)のラジオに出演した際、ユーミンから「小池さんは決して感情的にならない」と指摘された小池氏は、「怒り」は避けられないが、〈そういうのはジーッと溜めて、人の前で『怒る』ことは久しくない〉と明かした。
もちろんニッコリ笑ってバッサリ斬り捨てる大胆さも彼女の魅力だ。
勝負色の緑へのこだわりは有名だ。とくに“ファッションはメッセージ”として服装に気を使い、テーラードジャケット、スカーフ、ひざ下丈のタイトスカートの組み合わせが定番。洋服を新調する時は色や生地の違うスーツを3着オーダーし、上下を変えて9パターンとして使う。
政治家である以上、見た目は何より大切だ。都民ファーストの会の藤井あきら都議は、選挙ポスターの撮影前に小池氏と眼鏡店に行った。
「撮影時にあまり似合わない眼鏡をしていたら、その場で『行くわよ』と眼鏡店に連れていかれて、ぼくに合うものを選んでくれました。公認が決まった後、日常生活では眼鏡を外そうとしたら『あなたは眼鏡をしていた方がいい』とアドバイスされて、それからずっと眼鏡をしています」
小池百合子メソッドは簡単にマネできそうではない。
※女性セブン2017年10月19日号