『シクラメンのかほり』や『愛燦燦』など数々の名曲を生んだシンガーソングライターの小椋佳氏(73)に胃がんが判明したのは、57歳のときだった。胃の4分の3を切除する手術で回復したものの、今度は68歳で劇症肝炎を患う。医師からは「普通ならもう死んでいます」と告げられるほどの肝機能数値だった。
約1か月に及ぶ入院生活をくぐりぬけた小椋氏は「病気については語りたくない」と口をつぐむが、長男でマネージャーの神田知秀氏はこう語る。
「父は健康維持を放棄して好きなことをして過ごしています。タバコを毎日40本吸って、大好きなコーラを1日1リットル飲んでますよ(笑い)。本人はあと3年、76歳で死ぬと言っています。
2014年9月には『生前葬コンサート』を開き、2015年には全国17か所をめぐる『余生あるいは一周忌コンサート』を開催しました。これからの3年間もコンサートを続けていく予定です。元気ぶりを見る限り、あと3年で死ぬとは私も周りの者も信じていませんが(笑い)」(神田氏)
自宅では死に装束の白い作務衣で暮らしているという小椋氏。「死への諦念」が歌声を永らえさせている。
※週刊ポスト2017年10月13・20日号