ライフ

西郷隆盛はお腹が弱くトイレに50回も駆け込んだ

まさに満身創痍だった

 2018年のNHK大河ドラマ『西郷どん』の主人公である西郷隆盛はなぜ自らが朝鮮に渡ることに固執し、「征韓論政変」を引き起こしたのか。これは、明治6年、西郷隆盛の朝鮮使節派遣を巡り新政府内で意見が対立し、西郷や板垣退助らの政府首脳と、軍人や官僚約600人が辞職・下野した件だ。そそこには西郷の体調が大きく影響している、と大阪経済大学客員教授の家近良樹氏は言う。西郷は肥満をはじめとするさまざまな疾病を抱えていた。その病を辿ると、従来の認識とは違った西郷像と政変が見えてくる。家近教授が解説する。

 * * *
「西郷どん」といえば、立派な体躯と類い稀な精神力から、豪放磊落な大人物を思い浮かべる人が多い。坂本龍馬が西郷と会った時の印象を勝海舟に語ったものとされる「少しく叩けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く」という一節も従来の“偉大なる西郷像”に貢献している。

 だが、残された書簡などから読み取れるのは「ストレス」による「体調不良」に苦しんだ人生である。

 一般的なイメージとは異なるが、西郷は何事も理詰めで考える繊細な感性の持ち主であり、生真面目で融通のきかない堅物だった。配下への目配りや気配りもきめ細かく、例えば長州藩と幕府軍が激突した禁門の変の後、対策にあたって正確な情報が不可欠として、多数の薩摩藩士を長州藩などに派遣して情報収集をさせた。

 また戊辰戦争では指揮官として最前線に立ちながら、日本史上初めて活躍した従軍看護婦や、臨時の人足、土工などの給金の支払いまで事細かに指図していた。一方で、人口に膾炙(かいしゃ)した「敬天愛人」のモットーとは裏腹に好悪の感情が強く、決して清濁併せ呑むタイプとは言えなかった。

関連記事

トピックス

カジュアルな服装の小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットで話題》小室眞子さん“ゆったりすぎるコート”で貫いた「国民感情を配慮した極秘出産」、識者は「十分配慮のうえ臨まれていたのでは」
NEWSポストセブン
宮城野親方
《白鵬に若手親方から評価の声出るも…》「宮城野部屋の復活」が先送りされるウラに「相撲協会執行部が“第2の貴の乱”を恐れている」との指摘も
NEWSポストセブン
気持ちの変化が仕事への取り組み方にも影響していた小室圭さん
《小室圭さんの献身》出産した眞子さんのために「日本食を扱うネットスーパー」をフル活用「勤務先は福利厚生が充実」で万全フォロー
NEWSポストセブン
“極秘出産”していた眞子さんと佳子さま
《眞子さんがNYで極秘出産》佳子さまが「姉のセットアップ」「緑のブローチ」着用で示した“姉妹の絆” 出産した姉に思いを馳せて…
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《日本中のヤクザが横浜に》稲川会・清田総裁の「会葬」に密着 六代目山口組・司忍組長、工藤會トップが参列 内堀会長が警察に伝えた「ひと言」
NEWSポストセブン
5月で就任から1年となる諸沢社長
《日報170件を毎日読んでコメントする》23歳ココイチFC社長が就任1年で起こした会社の変化「採用人数が3倍に」
NEWSポストセブン
石川県をご訪問された愛子さま(2025年、石川県金沢市。撮影/JMPA)
「女性皇族の夫と子の身分も皇族にすべき」読売新聞が異例の提言 7月の参院選に備え、一部の政治家と連携した“観測気球”との見方も
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
《新体操フェアリージャパン「ボイコット事件」》パワハラ問われた村田由香里・強化本部長の発言が「二転三転」した経過詳細 体操協会も調査についての説明の表現を変更
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《極秘出産が判明》小室眞子さんが夫・圭さんと“イタリア製チャイルドシート付ベビーカー”で思い描く「家族3人の新しい暮らし」
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日の親子スリーショット》小室眞子さん出産で圭さんが見せた“パパモード”と、“大容量マザーズバッグ”「夫婦で代わりばんこにベビーカーを押していた」
NEWSポストセブン