冷え症や腰痛、肌荒れ、加齢臭などで悩んでいる人に朗報だ。温泉療法に活用されている天然炭酸泉を自宅で再現することができるという入浴剤が登場したのだ。昨年2月に行ったモニター調査では、87%もの人が体温が上昇したという結果が出ている。その効果の秘密とは?
ドイツのヘルス・リゾート“クアオルト”や、世界的な炭酸泉として知られる大分県の長湯温泉のような、天然炭酸泉を自宅で楽しめる入浴剤『薬用Hot Tab重炭酸湯』(30錠入り、1回3錠使用/160Lの場合、2700円)に、いま注目が集まっている。
開発したのは、株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレットの小星重治氏だ。前職のコニカ時代、ドイツの工場立ち上げ責任者として激務をこなす合間に受けた、温泉療法の効果の高さに驚いた小星氏は、定年後、家庭で手軽に炭酸泉を再現させる入浴剤の開発に着手。
コニカ時代、写真用に開発したマイクロカプセル造粒技術を応用することで、世界で初めて、天然炭酸泉と同じ中性の重炭酸泉を再現する入浴剤の開発に成功したという。
一般的な炭酸泉や、市販されている炭酸入浴剤は、酸性のため肌に刺激を感じることがあるが、『重炭酸湯』は肌のpH(ペーハー)と同じ中性。肌に負担をかけることなく重炭酸イオンが皮脂汚れを落としてくれるため、スキンケアにもいい。
さらに、酸性の炭酸泉は揮発性が高く、一時的な効果しか得られないが、『重炭酸湯』は重炭酸イオンが湯中に高濃度に充満するので、翌日の追い焚きでも効果を発揮するほど持続性を持つ。一番湯に入る人がタブレットを使えば、翌日まで家族みんなで、重炭酸泉で疲れを取り、体を芯まで温めることができるそうだ。
仙台丸山アレルギークリニック丸山修医師監修で行った実験によると、『重炭酸湯』入りのお湯で入浴した場合、10分後の組織血流量はさら湯の3倍以上、人工炭酸泉の1.5倍になると報告されている。
重炭酸イオンが皮膚から直接取り込まれ、血管を拡張させるため、通常以上の温め効果を発揮するのだ。このお湯の熱で温めるのではなく、血管を拡張させ血流を改善することで体温を上げる点もポイント。
36~41℃のぬるめのお湯でも、想像以上に体が温まるのだ。41℃以下のぬるめのお湯に、ゆっくりと浸ることで、副交感神経を優位にし、心身ともにリラックスすることができる。そのため、低体温や冷え症で免疫力が落ちている人や、冷えに由来する気分の落ち込みといった現代人が抱える不調の解消にも役立ってくれる。
疲労回復、肩こり、痔、腰痛、冷え症、神経痛、産前産後の冷え症、リウマチ、うちみ、くじき、あせも、しもやけ、荒れ性、ひび、あかぎれ、ニキビ、湿疹からスキンケアまで、17もの効用が期待される重炭酸湯。自宅で手軽にできる温泉療法を、この秋、試してみてはいかが?
※女性セブン2017年10月19日号