「初のバストトップ公開から女優としての覚悟がはっきりと見て取れました。現状では彼女が一番だと思います」──映画評論家・秋本鉄次氏はこういってはばからない。
2017年下半期の“濡れ場主演女優賞”は誰か、という問いに対しての答えである。
「その瞬間、試写室がどよめきました」
秋本氏が興奮気味に語るのは、満島ひかり(31)がヒロインを演じた映画『海辺の生と死』(7月29日公開)のワンシーンである。
『愛のむきだし』(2009年)で自慰シーンを披露するなど、激しい濡れ場を演じてきた満島が、この作品で“一線”を越えた。
「相手役の永山絢斗(28)とのラブシーンは後ろから抱きしめられたりキスをしたりと、『まあ、この程度なんだろうな』という感じでしたが、サプライズが起きたのはその後に訪れる、神仏の前で冷水を浴びる『水ごり』のシーンでした。真っ正面からのアングルで美しいバストが映し出されたんです。小ぶりの乳首はツンと上を向いたサーモンピンク。満島がバストトップを見せたのは初めてですが、堂々としたものでした」(秋本氏)
舞台は小さな南の島。敗戦間近の1945年の夏に出会った2人の恋物語が描かれる。満島演じる国語教師・トエは、永山演じる恋人の海軍特攻艇の隊長・朔(さく)が出撃する前夜、朔の無事を祈って裏庭の井戸で水ごりをする。
水が鎖骨から乳房へと伝い、乳首をなぞるように流れていく。ラブシーンではないからこそ、むしろ趣のある淡い色香に満ちたシーンだ。
※週刊ポスト2017年10月13・20日号