人を惹きつける毒舌や辛口コメントで引っ張りだこ。今、日本でいちばん忙しい男・梅沢富美男(66才)が新刊『富美男の乱』(小学館)を上梓。『プレバト!!』(TBS系)で共演しており、辛口で知られる俳人・夏井いつき氏が同書を読んだ感想を語る。
* * *
『プレバト!!』(TBS系)の俳句コーナーが始まって丸4年。自称「三百年に一人の役者」梅沢富美男さんとのつきあいも4年になります。初回から「六花(雪の異称)」なんて季語を使ってきて、もともと俳句やってるんだと思ったら、あの句が処女作だという。「芸事で生きていく」ことは並大抵の努力ではない。たかがバラエティー番組でも、このオッちゃんは手を抜かんのや。オッちゃんは努力の人なんや、と驚きもし尊敬もしています。
著書にちりばめられた梅沢語録。結構、カッコエエんです。「間違っていると感じたことには権威が相手だろうが牙をむく」という気概。「人の盛り上がりや人気なんて一過性のもの」だと平然と生きるオッちゃん。そして「困っている人は何がなんでも助ける」という一行にも泣けました。
私が運営にかかわる『俳句甲子園』は今年が第二十回記念大会でした。『プレバト!!』の撮影スタジオの片隅で、予算繰りの苦悩を誰にともなく呟いたことがあります。すると、その夜、オッちゃんのマネジャーさんから電話。「寄付します」の一言に驚きました。まさに、オッちゃんは有言実行の人でもあるのです。
「劇団員たちと大勢で家族のように飯を食って幸せそうにしてるのを見るのが幸せ」という一文に至っては、わが家族会社夏井&カンパニーの昼食光景とそっくり。「義理と人情、そして愛」が、このオッちゃんの心身をつくっている成分なんやと、痛く納得する次第です。
※女性セブン2017年10月19日号