今年の巨人は2リーグ分裂以降、8度目となるBクラスに転落。クライマックスシリーズが始まる前に、3年契約2年目だった高橋由伸監督の続投が決まり、新しいコーチングスタッフも発表された。
過去7度のBクラス年の監督を振り返ると、2005年に5位に終わった堀内恒夫監督が契約期間を1年残して解任された以外は全て留任している。
とはいえ、来季も高橋監督がペナントを取れなければ、退任の可能性が高い。堀内監督以外のBクラス翌年の成績を見ると、優勝3回(1962年川上哲治監督4位→優勝、1975年長嶋茂雄監督6位→優勝、2006年原辰徳監督4位→優勝)、2位1回(1991年藤田元司監督4位→2位)、3位2回(1979年長嶋監督5位→3位、1997年長嶋監督4位→3位)と半分の確率で覇権を奪回している。一方で、優勝できなかった場合は1997年の長嶋監督を除けば、いずれも監督の座を退いているのだ。野球担当記者が話す。
「巨人の2年連続Bクラスは2005年堀内監督の5位、2006年原監督の4位の1回だけ。来季もBクラスならば、間違いなく監督交代でしょう。また、『Bクラスを含む3年連続優勝なし』でも続投したのは長嶋監督(1997年4位、1998年3位、1999年2位、2000年優勝)だけ。その長嶋監督でさえ1998年には辞意を漏らしたと伝えられ、後任は西武の黄金時代を築いた森祇晶氏になる予定だったと言われています。しかし、内外からの強い反発もあり続投になった。
巨人で3年連続優勝なしで続投したのは、2次政権の長嶋監督と王貞治監督(1984年3位、1985年3位、1986年2位、1987年優勝)だけ。長嶋監督も1次政権の時は3年優勝から遠ざかり、解任された。高橋監督にミスターほどの人気があるとは言えませんし、来季優勝できなければ3年連続V逸となり、監督生活終了の確率が高い」
いわば、来季は背水の陣となる高橋監督だが、コーチ陣には吉村禎章氏が打撃総合コーチとして2011年以来の復帰を果たしたものの、村田真一ヘッドコーチが留任するなど変動は小さかった。