投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が10月16日~10月20日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は底堅い値動きか。主要メディアによる選挙戦序盤の情勢調査などによると、与党の自民・公明は合計で300議席を上回る勢いと報じられており、勝敗ラインの過半数233議席を大きく上回ると予測されている。公示前勢力(324議席)を多少下回っても、希望の党が補完勢力として加わるとみられており、安部晋三首相の権力基盤はより強まり、経済政策継続への思惑で円売り安心感が広がり、ドルを押し上げる展開となりそうだ。
一方、9月19-20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、今後の利上げに向けインフレ指標を見極めたいとする複数の意見が出ていたことが、10月11日公表の議事要旨から明らかになった。
米連邦準備制度理事会(FRB)による12月追加利上げにやや懐疑的な見方が広がっているが、インフレ関連指標が想定を上回る内容だった場合、金融正常化の方針は堅持されるとの見方が根強く、ドル売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。
ただし、ユーロの値動きには引き続き警戒が必要だろう。スペイン・カタルーニャ独立問題への懸念はひとまず収束していること、今月26日開催の欧州中央銀行(ECB)の理事会で債券購入プログラムの段階的な縮小が決定されるとの見方が広がっていることから、ユーロ買い・米ドル売りが強まる見通し。ユーロ高・米ドル安が進行する場面でドル・円の取引でもドル売り・円買いがやや強まる可能性がある。
【米・10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数】(19日発表予定)
19日発表の米10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は20.5と9月の23.8から下振れが予想される。ただ、昨年12月以降、景気の良し悪し境目であるゼロを大幅に上回っており、成長の持続を好感したドル買いにつながろう。
【日・第48回衆院選】(22日投開票予定)
22日投開票の衆院選は小選挙区289、比例区176の計465議席が争われる。公示直後の情勢調査によると、自・公両党で300議席超と過半数(233議席)を大きく上回る勢い。希望の党が自公政権に加われば安倍首相の政権基盤は強化されるため、株高・円安の相場展開になるとの見方も。
・10月16日-20日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。