読売ジャイアンツは、タイトル歴のある有名選手を巨額の年俸で次々と補強することで戦力アップを試みてきた歴史を持つ。今季は11年ぶりにBクラスに沈み、初めてクライマックスシリーズ進出を逃したものの、シーズン前には“総額30億円”ともいわれる大補強を敢行していた。打者では陽代鋼、投手では森福充彦と山口俊を獲得。陽も山口も期待外れの結果に終わったが、森福を含めたリリーフ陣にも“層の薄さ”が際立った。
最多勝・最優秀防御率の菅野智之を筆頭にマイコラス、田口麗斗というリーグ屈指の先発陣を擁しながら、中継ぎ・抑えがゲームを壊しまくった。スポーツ紙デスクがいう。
「今オフのFA市場の目玉は、日本ハムの中継ぎ左腕・宮西尚生、抑え・増井浩俊、西武のアンダースロー・牧田和久の3選手。いずれも巨人入りの可能性が指摘されている。しかし、巨人で彼らが活かせるのか。
リリーフ左腕・山口鉄也の勤続疲労を軽減するはずが、一緒になって働かなかった森福の前例もある。同じ変則左腕の宮西を獲っても戦力がダブつくだけです。牧田と増井は先発としても計算できるため、何が何でも獲りに行くだろう。山口俊に10億円払った球団ですから、7億~8億円用意してもおかしくない。大竹寛、杉内俊哉らの二の舞にならなければいいが……」
貴重な“計算できる戦力”であるマイコラス(推定年俸2億4000万円)と、中継ぎ7年目となるマシソン(同2億8500万円)は、メジャー球団も獲得に興味を示していると報じられている。引き留めるためには、マイコラスは単年で5億円ともいわれ、マシソンも3億円はくだらない条件が必要になると見られている。
※週刊ポスト2017年10月27日号