かつて“お色気”の最前線はテレビだった。1960~70年代、多くのテレビ局が放送を終えた深夜11時、「シャバダバ、シャバダバ~」というテーマ曲とともに『11PM』(日本テレビ系、1965~1990年)が始まる。
放送開始時は時事問題を扱う「お堅いトーク番組」だったが、視聴率低迷を受けて路線を変更し、女性レポーターに裸で温泉実況をさせるといった“お色気”を導入したことで人気番組となった。日本のテレビ史初の“エロ番組”といわれている。60代男性が振り返る。
「AVがまだ無い時代、当時の子供たちが目にする女の人の裸なんて、『平凡パンチ』のグラビアくらいでしたからね。初めて見たときは『動く裸が見られるなんて!』と衝撃を受けました。カバーガールを見るだけでも楽しみでした」
カバーガールとは、CMに入る直前に水着姿でセクシーポーズを披露する女性たちのことだ。当時を知る日テレOBがこう話す。
「『カバーガールの良し悪しが視聴率に直結する』といわれるほど、男性視聴者の注目度は高かった。当時の若手女優にとって、カバーガールに採用されるかどうかは『芸能界の登竜門』といわれており、実際に何人もの女の子たちが、カバーガールを経て大女優になりました」
98cm、Gカップのたわわなバストで視聴者を虜にした、かたせ梨乃もそのひとりだ。
「彼女の持つ官能的な容姿と、挑発するような表情が『極道の世界にピッタリのコが居るぞ』と評判になり、映画『極道の妻たち』のヒロインに抜擢された理由のひとつだといわれています」(映画関係者)