3つの山口組抗争が激化する中、六代目山口組から分裂した神戸山口組の最高幹部である寺岡修若頭が10月10日、兵庫県警に逮捕された。
「容疑は寺岡若頭の出身母体・侠友会が組事務所として使用していた神戸市内のビルにおいて、虚偽の登記を行なったことによるもの。同ビルは神戸山口組の執行部会が開かれるなど、淡路島にある本部事務所に次ぐ“第二本部”として使用されていた。寺岡若頭は20日間の勾留で出てくる予定です」(全国紙記者)
問題は、それを機にこの“第二本部”を手放さなければならない可能性が高まるということだ。
実は同じタイミングで、神戸山口組は警察だけでなく市民からも追い込まれていた。逮捕に先駆けた10月2日、公益財団法人「暴力団追放兵庫県民センター」が地域住民の代理訴訟として、淡路島にある神戸山口組本部事務所の使用禁止を求める仮処分訴訟を起こしていたのだ。山口組分裂抗争を取材するライターの鈴木智彦氏が分析する。
「9月に神戸山口組傘下の組員が神戸から再分裂した任侠山口組の織田絆誠代表を襲撃し、ボディーガードを射殺したことで、神戸山口組が報復にあう危険性が高まり、地域住民の不安が高まっている。代理訴訟の前例からして、和解へ持ちこめたとしても、事務所の撤去は避けられません。遅かれ早かれ神戸山口組は淡路島にある本部を手放さざるを得なくなる。さらに今回の逮捕でもう一つの施設まで使えなくなるとなれば、次の本部選びが難航することになります」