「自民党を倒すためなら共産党とも組む」と公言して過去2回、野党連合で自民党から政権を奪った小沢一郎・自由党代表はこの政党政治の劣化をどう見ているのか。
小池百合子・東京都知事と前原誠司氏が合流の協議をしていた時、小沢氏は共産党の志位和夫氏と希望の党を含めた野党協力について協議したという情報もある。しかし、小池氏は排除の論理を取り、共産党は希望の候補に刺客を送って小沢氏の野党連合“オリーブの木”構想は失敗に終わった。小沢氏の知恵袋といわれる平野貞夫・元民主党参院議員が語る。
「小沢一郎はこの間、民進党が野党をまとめて政権交代するための活動をしてきた。しかし、民進党は分裂してしまった。小沢は『前原の力量ではまとめきれず、民進党の分裂で野党共闘ができずに困った』と言っていました。今後については読めないが、小沢自身が無所属で出馬したのは、この先、選挙後にどこから相談を受けてもフリーな立場で動けるように、という思いからではないか」
“政界の寝業師”亀井静香氏も「各政党とも理念も論理も倫理もかなぐり捨てた口先だけの公約を並べている」と匙をなげ、自民党政権を2度下野に追い及んだ小沢氏も展望が描けないほど、この国の政党政治は壊れてしまったのだ。
※週刊ポスト2017年10月27日号