10年ぶりとなる優勝には、“影の主役”がいた。大学駅伝シーズンの開幕を告げる出雲駅伝(9日)で、東海大が昨季3冠の王者・青学大を圧倒。距離の短い出雲で1分33秒差をつけての「完勝」となった。
陸上長距離専門ウェブメディア「EKIDEN NEWS」を主宰する西本武司氏は、意外な“勝因”を挙げた。
「明暗を分けた要素の一つとして、部のマネージャーを束ねる『主務』の力があったと思うんです」
主務は練習・日程管理などを担い、レース本番ではチームの広報マンも兼ねる。主要メディアは關颯人(せき・はやと)、鬼塚翔太ら黄金世代と呼ばれる2年生の快走を取り上げるが、主務の西川雄一朗(4年)も抜群の働きを見せているという。西本氏の弁舌に熱が籠もる。
「出雲の当日、私たちがスタート3時間前にプレス受付がある出雲ドーム(屋内多目的施設)に着くと、すでに西川主務は“仕事”を始めていた。誰よりも早く現場に着き、記者やファンに選手の名前、応援スポットなどを記したハンドブックを配っていた。沿道のファンに名前を覚えてもらえれば、名指しで激励されて選手はさらに力を発揮できる。とにかく、“できることはすべてやる”という姿勢が伝わってきました」
そんな“裏方”の働きについて、西本氏は「影響力は絶大」とヒートアップ。