期限切れ鶏肉の使用や異物混入問題による業績悪化からようやく信頼回復を果たしたマクドナルドをはじめ、最近では1個1000円以上するこだわりのグルメバーガー店に行列ができるなど、日本のハンバーガー業界は再び活気づいている。
そんな中で果敢に出店攻勢をかけようとしているのが、米国生まれのチェーン「バーガーキング」だ。
バーガーキングが日本に初めて進出したのは1993年。日本での事業は西武グループや日本たばこ産業(JT)が担ってきたが、2001年に業績不振で一旦撤退。その後、2007年に再進出し、日本のロッテや韓国ロッテリアが店舗運営を手掛けていた。
そして、先ごろ日本のバーガーキング運営権が香港の投資ファンド(アフィニティ・エクイティ・パートナーズ)に譲渡されることが分かった。その狙いは何か。外食専門紙記者がいう。
「バーガーキングは世界100か国以上で1万6000店も展開。マックに続いて堂々世界2位のチェーンでありながら、日本ではいまだに98店しかなく、このままでは他チェーンに太刀打ちできないと危機感を持った米国本部が投資ファンドに規模の拡大を託した」
少子高齢化や他の外食業態との熾烈な競争もあり、やみくもな出店拡大はリスクも伴うが、ある程度の規模を追い求めなければ認知度やブランド価値も薄れていってしまう。いまが最後の賭け時、ビジネスチャンスと捉えているのかもしれない。
では、消費者はバーガーキングにどんなイメージを持っているのだろうか。
「看板メニュー『ワッパー』シリーズに代表されるように、とにかくボリューミーで大味な印象」(30代男性)
「マックに比べて値段が高いので頻繁に行くことはないが、キングサイズのハンバーガー1個で十分1食分になるので、ガッツリ食べたい時には最適」(20代男性)
「高カロリーなメニューが多いので、女性どうしではちょっと……」(30代女性)
巨大メニュー、高単価、ヘルシーじゃない、男性客メイン──といった共通認識を抱かれているようだが、実はそうした根強いイメージを払拭させる販売施策も次々と打っている。