インターネットの隆盛により、今や誰でも気軽にアダルト画像が見られるようになったが、かつて「エロの最前線」はテレビだった。深夜からは『11PM』『トゥナイト』など、伝説的な番組が生まれたが、1990年代に入るとテレビが“一人一台”の時代になったことで、エロ番組はさらにヒートアップしていく。
なかでも“危うさ”で話題を呼んだのが、『11PM』の枠を引き継いだ『EXテレビ』(日テレ系、1990~1994年)だ。「低俗の限界」というコーナーでは、司会の上岡龍太郎と島田紳助が頭で全裸女性の股間を隠してトーク。2人が少しでも頭を動かせば“放送事故”。スタッフも視聴者もドキドキハラハラさせた。
中山秀征が司会を務めたバラエティ番組『殿様のフェロモン』(フジテレビ系、1993~1994年)は、回を重ねるごとに企画がエロ方向へとシフト。「性感! ハケ水車が回っているのは誰だ? クイズ」、通称「ハケ水車」という名企画を生み出した。ハイレグ水着姿の女性3人が、股間を覆う箱にまたがる。そのうち1人が、ハケのついた水車で股間を刺激されていて、それが誰かを解答者が当てるクイズである。
「水着美女たちの喘ぎ声がすごくて、思わずテレビのボリュームを下げたほど。あれほどバカバカしいエロ企画は他になかった」(40代男性)
岩本恭生と当時人気絶頂のフーミンこと細川ふみえを司会に据えた情報番組『ギルガメッシュないと』(テレビ東京系、1991~1998年)は、多くのAV女優を起用し、彼女たちのテレビ進出の礎を築いた。
出演者の一人だった飯島愛はCMに入る直前、振り向きざまにスカートをめくりTバックのお尻を露出するポーズでブレイクし、その後、司会に抜擢された。同番組で共演し、飯島と親交が深かったAV女優の新堂有望が当時の思い出を語る。