体をなでることは、犬や猫にとって、飼い主とふれあえる癒しの時間。そこでもし、つぼを押さえたマッサージをしてあげられたら、“わが子”をもっと長生きさせられるかも!?
現代のペットにこそ、つぼマッサージが必要だと話すのは、日本ペットマッサージ協会の理事長で、かまくらげんき動物病院院長の石野孝さんだ(「」内以下同)。
「近年のペット業界では、子犬や子猫のほとんどが、生後20日くらいで親から引き離され、リッキング(親が子を舌でなめる行為)を充分に受けていません。リッキングは免疫力を高めるとても大切な行為で、これが足りないために、リウマチや膠原病といった免疫系の病気や、物を壊すなどの問題行動を起こす分離不安症、自分のしっぽをかじるなどの常同行為といった病を発症するようになります」
そのため飼い主は、親犬や親猫のリッキング行為の代わりにマッサージをすることで、血行やリンパの流れをよくし、これらの症状を改善させることが大切なのだ。
「ただし、無理強いはしないこと。持病がある場合は専門医に相談し、決して素人判断をしないでください。マッサージの前に飼い主は爪を短く切り、まずは、6つの基本的なさわり方をマスターしましょう。人間のマッサージのようにアロマオイルは必要ありません。毎日続けることが大切です」
つぼを押す場合、少しずつ力を入れ、約3秒キープしたら、徐々に力を抜くのがコツ。力加減は小型犬や猫なら500g~1kg、大型犬なら2~3kgが目安。クッキングスケールを指で押して、あらかじめ加減を知っておこう。以下、6つの基本的な触り方だ。
【1】さする
手をブラシに見立て、毛の流れに沿ってなでたり、指や手のひらでさする。さする指は、ペットの体の部位に合わせて使い分けてOK。
【2】円マッサージ
人さし指1本か、中指を添えた2本の指で、マッサージしたい部位に「の」の字を描く。時計回りに描くのがポイント。
【3】もむ
親指とその他の指でマッサージする部位を挟み、人の肩をもむ要領でもむ。特に、首~背中にかけてのこりをほぐすのに効果的。
【4】押す(指圧)
つぼは人さし指で押すのが一般的だが、肉球など小さい部分は綿棒を使う手も。3秒かけて力を入れ、3秒かけて力を抜くのがコツ。
【5】ひっぱる
背中の皮膚には経絡やつぼが集中しているので、手でつまんでひっぱり上げると効果的。犬や猫は皮膚や皮下組織が厚くよく伸びる。
【6】ツイスト
【5】でひっぱった皮膚を、両手で交差させたりひねったりして刺激する。この時、爪を立てないように注意すること。
※女性セブン2017年11月2日号