兵庫県芦屋市の高級住宅街でも、とりわけ目立つ“億ション”の一室に、大阪地検特捜部が家宅捜索に入ったのは、10月12日午前のことだった。
捜索の対象となったのはマンション型納骨堂「梅旧院光明殿」(大阪府浪速区)を運営する「光明殿」社長・山口幸子容疑者(63)の自宅だ。この4年間で1億4300万円の法人税を脱税した疑いで、この日、山口容疑者を含む3人の関係者が逮捕された。
梅旧院光明殿は、都市部で急増する「ビル型納骨堂」「マンション霊園」の草分け的存在だ。
〈来てみて便利な梅旧院~♪〉の軽妙なオリジナルソングが流れる中、着物姿の山口容疑者が合掌して「大切にお祀りさせていただきます」と語りかけるテレビCMが関西圏では広く知られている。
その名物女性社長は「リーマンショック以前は2億円はくだらなかった」(近隣住人)という芦屋の高級マンションに住み、移動は運転手つきの高級外車。梅旧院光明殿の近くにある寺院の僧侶はこう証言する。
「納骨堂に白や赤の派手な高級外車でやってきて、帰る時に従業員が並んで『お疲れ様でした』と頭を下げて見送る姿が目立っていました。テレビに出るようになって格好が派手になり、気になっていたところで今回の逮捕を知った」