今年のプロ野球ドラフトでは、高校通算111本塁打を放った清宮幸太郎(早稲田実業)、夏の甲子園で大会通算6本塁打を放った俊足強肩の捕手・中村奨成(広陵)、188センチ・95キロの左の大型スラッガーで高校通算65本塁打を記録した安田尚憲(履正社)の「高校BIG3」に注目が集まるが、大学生や社会人にも注目選手が揃っている。
アマ球界に詳しい評論家の広澤克実氏と遠山奨志氏、スポーツ紙のアマ担当デスクの3人が大学・社会人のドラフト1位候補者たちの実力を採点する。
「即戦力として外れ1位が多い」(デスク)といわれる大学生。注目は左腕の東克樹(立命館大)。遠山氏も「マウンドさばきに度胸があり、制球力の良さがプロ向き」と評価するが、一方で「ノーヒットノーランを2度するなど印象はいいが、悪い時との差が激しい。コンスタントに勝てないとプロは厳しい」(デスク)という声もある。
東より即戦力とされるのが、馬場皐輔(仙台大)。「元ロッテの坪井俊樹コーチの指導で一皮剥けた。変化球でストライクが取れるようになり、評価が上がった」(デスク)という。即戦力級の投手が多い中で、東大の宮台康平を推すのは遠山氏。「リストの使い方が上手いし、あれだけ腕が振れると粗削りでも面白い存在」と期待する。
ただ、遠山氏は「投手の候補者たちを見るときは、球速の“最速”データでは測れません。大学2年がピークだったり、1度150キロ台を出しただけというケースも少なくないからです。いい変化球を持っている投手が期待できる」と解説する。