衆議院選挙における希望の党惨敗までの過程を最も知る立場にあるのが、当の落選者たちだ。民進党から希望の党に移り小選挙区で敗退した、宮崎岳志氏(群馬1区、前職)、田村謙治氏(東京16区、元職)、櫛渕万里氏(千葉3区、元職)、多ケ谷亮氏(千葉11区、新人)の4人が、知られざる選挙戦の内幕を明かす。
田村:私は希望の党の本部を見に行ったことすらなくて。聞くと落選した若狭(勝)さんの事務所をそのまま使っていたと。事務局の体制すら整っていなかった。
宮崎:若狭さんの政治塾(輝照塾)出身のある候補者は、選挙事務所を間違えて選挙区外に借りちゃったそうですからね(笑い)。街宣車で回りながらポスターを貼っていた候補者もいた。そもそも党本部の電話番号すらよくわからず、民進党経由でしか連絡できなかった。選挙後も「選挙会計はちゃんと期限内にしてください」という事務的なメールが一通来た程度です。
田村:選挙戦の組み立て方について、経験者の有無は大きい。私も最初に静岡から出た時は素人集団でしたから、連合の方に選挙戦のやり方を教えてもらった。
宮崎:地方議員は連合から推薦を受けていたりするから、連合が動かないと議員も動かない。そうなると選挙運動の手足がなくなって新人にはツラい。希望の党独自の選挙部隊はほぼ皆無でしたから。