投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が10月30日~11月3日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はやや強含みとなりそうだ。欧州中銀(ECB)は金融正常化を慎重に進める姿勢を示したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融正常化の進展を期待した値動きが見込まれる。
10月31日-11月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、12月追加利上げを見極める展開となりそうだ。足元の経済指標は堅調な内容のものが多い。一部の金融当局者は早期の追加利上げに慎重だが、FOMC声明で年3回の引き締めスタンスが堅持されればドル買いは強まろう。
また、近く決定する次期FRB議長人事については、スタンフォード大学のテイラー教授に対する共和党有力議員からの支持が広がっているもよう。タカ派寄りの議長就任の思惑は米長期金利を押し上げ、ドル上昇を促すだろう。
一方、10月22日の衆院選で自民・公明の与党は大勝し、安倍政権が再始動する。日本銀行による金融緩和政策の継続が見込まれるなか、10月30-31日の金融政策決定会合で日銀は現行の金融政策を維持する見通し。想定通りならドル高・円安の基調は変わらないと予想される。
ただ、トランプ政策の柱である税制改革について、なお党内調整を必要としており、調整に手間取った場合はドル買いを弱める要因となりそうだ。また、北朝鮮は太平洋上で水爆実験を実施する姿勢をみせており、地政学リスク増大の懸念は消えていないことから、リスク選好的な円売りが一段と広がるとは言い切れない状況か。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(10月31日-11月1日開催予定)
FRBは日本時間11月2日午前3時に声明を発表し、同3時30分からイエレン議長が記者会見を行なう。政策金利は1.00-1.25%に据え置きの公算。FOMC内では慎重論もあるが、イエレンFRB議長が強気なスタンスを堅持すれば、年内追加利上げへの期待からドル買いに振れやすいだろう。
【米・10月雇用統計】(11月3日発表予定)
11月3日発表の米10月雇用統計では、失業率は4.2%(前回4.2%)、非農業部門雇用者数は前月比+31万人(-3.3万人)、平均時給は前年比+2.7%(同+2.9%)と予想されている。非農業部門雇用者数はハリケーンの影響が消えることから大幅な増加が予想されるが、平均時給が伸び悩んだ場合、リスク選好的なドル買いはやや抑制される可能性がある。
・10月30日-11月3日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。