「子供の前での夫婦のスキンシップ」について、全国の読者20~70代男女354名に調査したところ、賛成が68.9%。反対が31.1%という結果となった。
賛成派の意見としては、「子供もいずれ経験するのだから、適切なスキンシップのとり方を示すのはよいこと」(55才・会社員)など。一方で、反対派は「ドラマのラブシーンを見るのも躊躇するのに、子供の前でするなんて恥ずかしい!」(39才・主婦)などの声が挙がった。
生活習慣の欧米化がすすんでいるものの、人前でのキスやハグはいまだ敬遠されがちの日本。それでも、子供の前での夫婦のスキンシップは…? 読者アンケートでは賛成派多数という結果に。あなたはどう思いますか?
子供の頃から夫婦のスキンシップを見せていればそれが当たり前になる…? 賛成読者からはこういった意見が多かったが、「子供の成長のタイミングにもよる」と警鐘を鳴らすのは、日本子育て心理カウンセラー協会副代表の森流音(もり・るね)さんだ。
「幼児期(0~6才)と思春期(12~18才)の子供に見せるのはあまりおすすめできません。というのも、幼児期は、母親が自分の命を守ってくれる唯一の存在だと本能的に認識し、母親の愛情を一身に受けたがる時期のため、たとえ相手が父親であっても母親を奪われることへの不安が生じる場合があります。
そして思春期は、自立心の芽生えの中で葛藤し、苦悩する時期。嫌悪感も発生しやすいので、両親のスキンシップはかえって子供の孤独感をあおる結果になりかねないのです」(森さん)
思春期の子供の前では配慮が求められるようだ。一方、夫婦関係のよさが家庭円満につながると話すのは、スキンシップを研究する桜美林大学教授・山口創さんだ。
「私が実施した調査でも、夫婦間にスキンシップがある家庭は親子のスキンシップも多く、子供の心も安定するという結果に。スキンシップをとると“絆ホルモン”のオキシトシンが作られ、共感と幸福感が生まれることが実証されているんです」(山口さん)
とはいえやはり、節度は大切。誰が見ても不快に感じない程度が前提だという。
「うちの両親はハグするのが当たり前という環境を整えておくことも大切です。しかし、そこまでしなくても、肩もみでも、互いへの共感が高まるのに有効なスキンシップになります」(山口さん)
子供の成長に応じた、節度あるスキンシップなら、いい影響を与えるといえそうだ。
※女性セブン2017年11月9日号