豪華な返礼品が話題となり、“2000円から始められる最強のお取り寄せ”とさえ呼ばれたふるさと納税が“曲がり角”を迎えている。総務省による「規制」がかかり、返礼品を取りやめたり、還元率を低く設定する自治体が増え始めたのだ。今年が本当にラストチャンス、駆け込むなら今しかない。ふるさと納税に関する著書を多く持つ企業家の金森重樹氏が語る。
「多くの自治体が還元率を見直し、家電やパソコンなどの返礼品を減らしました。節税や資産防衛にも役立っていたのに、まさに政府の“改悪”です」
ふるさと納税とは、居住地を除いた自治体に寄付すると、その寄付額のうち2000円を超える部分について、所得税と住民税の控除が受けられるという制度。多くの自治体が工夫を凝らした返礼品を用意したことから注目を集め、初年度(2008年)は約81億円だった“納税額”は約2844億円(2016年度)にまで膨れあがった。
だが、返礼品競争が激化し、返礼品の転売目的での寄付や、大都市圏の自治体などで税の減収が相次いだことなどから、総務省は今年4月に各自治体向けに改善要請を出した。その主な内容は、
・返礼品の還元率を3割以下に抑える
・商品券など換金性の高い返礼品は避ける
・電子機器、貴金属、宝飾品など資産性の高いものは避ける
この要請の結果、魅力ある寄付先は激減している。