「京都のええとこのお嬢さんが駆け落ちやなんて、よろしありますんか?」(姑)
「お恥ずかしい限りどす」(母)
「では、お連れ戻しに?」(姑)
「あの子は勘当した身。許す気はありまへん」(母)
大阪弁と京都弁で繰り広げられる女のバトル。視線をそらさない緊迫したやりとりには、演技を超えた“何か”がほとばしっていた──。
初週以来、3週間ぶりに週平均視聴率が20%の大台を超えたNHKの連続テレビ小説『わろてんか』。現場では、「立役者は鈴木保奈美さん(51才)と鈴木京香さん(49才)の2人でしょう。あのバトルにむけて、盛り上げてきたかいがありました」(NHK関係者)ともっぱらだ。
旅芸人の藤吉(松坂桃李・29才)と駆け落ちした京都の老舗薬問屋の娘・てん(葵わかな・19才)。大阪にある藤吉の実家の老舗米問屋・北村屋に身を寄せるが、藤吉の母・啄子(京香)は結婚を認めず、てんを女中扱いする嫌がらせを続ける。
10月27日放送回では、そのことを知ったてんの母・しず(保奈美)が北村屋を訪れ、冒頭のように激突したのだ。
「使いものにならへんかったら、煮るなり焼くなり、河原に捨ててもろてもかましまへん!」(保奈美)
「ほな、遠慮のう仕込まさしてもらいまひょ。今までは少ぉし、手加減させてもらいましたよって!」(京香)
両者一歩も引かぬ7分も続いたバトルに、ネットには《迫力ありすぎ》、《鈴木対決にしびれた》といった書き込みが相次いだ。
「衣装は保奈美さんが金色の和服に紫の羽織。一方の京香さんは質素倹約をモットーにしているお姑さんですから、シンプルで地味な着物。ですが、豪華な衣装の保奈美さんに負けないようになのか、背景に庭の緑を映し、あえて逆光にして“後光”がさしていました。衣装対決としては“引き分け”でしょうね」(前出・NHK関係者)
撮影前から現場には緊迫感が漂っていた。