自分や他人の「ニオイ」はどうしても気になってしまうもの。そしてニオイは単に個人の問題にとどまらず、“スメハラ”(スメルハラスメント)と呼ばれる社会問題にまで発展。それは夫婦関係にも影を落としているという。ワキガ、体臭、多汗症の治療を行う五味クリニック院長の五味常明さんが言う。
「最近では、お互いのニオイが気になり、それが原因で夫婦関係に亀裂が生じるケースも増えています。旦那さんが定年退職して家でゴロゴロするようになった途端、旦那さんの加齢臭が鼻について仕方ないと相談に来る奥様もいました」
2016年6月に大手化粧品メーカー・ナリス化粧品が、子供を持つ20代から50代の既婚女性を対象に、夫のニオイに関する調査を発表した。それによると、約7割の妻が、夫の何らかのニオイが気になり、そのうち約6割が夫のニオイにストレスを感じているという。
ただし、ニオイにストレスを感じているのは妻ばかりではない。本誌・女性セブンが20代から70代の男性200人に実施したアンケートによると、妻や恋人のニオイについて「ときどき気になっている」が11.0%、「たまに気になっている」が29.5%、「いつも気になっている」が2.5%。4割以上の男性が、妻や恋人のニオイが気になったことがあるという結果だったのだ。神奈川県在住、56才の安倍裕一さん(仮名)はこう話す。
「妻は冷え防止のため、靴下を履いて寝ます。そのためか寝返りを打つたびに、何ともいえない異様なニオイが漂うんです。冬は厚手の布団になり、寝てる途中で暑くなるのか無意識に靴下を脱ぐんですが、それがまたくさいんです」
静岡県に住む58才の前田圭祐さん(仮名)は、妻のわきのニオイに辟易している。
「妻がテーブルに皿をのせたり、私の前に腕を伸ばしたときなど、加齢臭とか体臭とは違う、そう、カブトムシの虫かごのような強烈なニオイがするんです。その一瞬息を止めればいいのですが、若い時はいい香りだった妻が、今はカブトムシのニオイかと思うと残念でなりません…」
夫のニオイばかり責めて、自分のことは棚に上げている女性も、もしかしたら“スメハラ”をしてるかもしれない。
※女性セブン2017年11月16日号