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谷川俊太郎さん「私は絵本にまず美しさを求めます」

レオ=レオニ・作、谷川俊太郎・訳の『スイミー』は、教科書にも掲載されている美しい海の物語

 少子化、出版不況といわれる時代に、今“絵本”が売れている。10年前に比べて雑誌・文芸書などの売り上げが約30%減少している中、絵本を含む児童書だけは約8%売り上げが伸長(『出版物販売額の実態 2016』日販より)。その秘密は、絵本を楽しむ大人が増えたことにもあるという。そこで、日本を代表する絵本作家のひとりである谷川俊太郎さんに、「絵本に込めるメッセージ」について話を聞いた――。


 私は絵本にまず美しさを求めます。

 絵本を通して子どもたちに何かを伝えたい、そういう気持ちで創られた絵本は多いと思いますが、私はどちらかと言うと、ノーベル賞を受けた詩人、T.S.エリオットの「詩は思想をバラの花の香りのように感じさせるもの」という言葉を理想として詩を書き、絵本のテキストを書いています。

 メッセージやテーマも大切かもしれませんが、私は絵本にまず美しさを求めます。絵の美しさ、日本語の美しさ、何を美しいと思うかは個々の絵本によって違いますが、感じ方は読む人、見る人の自由です。そこに子ども大人の別はないと思います。

※女性セブン2017年11月16日号

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