主人公がタイムスリップするというのは、ドラマではよくある設定だが、ここ最近、それが進化しているという。いったいどうなっているのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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現在、毎週土曜夕方に『アシガール』(NHK)が放送され、主演・黒島結菜さんの天真らんまんな演技が人気を集めています。
同作は、女子高生の唯(黒島結菜)が弟の発明したタイムマシンで戦国時代にタイムスリップしてしまうシーンからスタート。これまで、医者が幕末にタイムスリップした『JIN -仁-』(TBS系、2009、2011年)、シェフが戦国時代にタイムスリップした『信長のシェフ』(テレビ朝日系、2013、2014年)、男子高校生が戦国時代にタイムスリップした『信長協奏曲』(フジテレビ系、2014年)がありましたが、『アシガール』は「女子高生がタイムスリップする」という新たなパターンです。
最大の特徴は、唯が戦国と平成の世を行き来できること。これは『13歳のハローワーク』(テレビ朝日系、2012年)、『時をかける少女』(日本テレビ系、2016年など)で見られたタイムスリップのパターンですが、今作は「でんでん丸」「まぼ兵くん」などの弟が発明した人を殺さない武器を戦国時代に持ち込む、という遊び心が追加されています。
◆3つのタイムスリップを組み合わせた最新版