神奈川県座間市のアパートの一室で、男女9人の遺体と“同居”していた白石隆浩容疑者(27)は、20代半ば頃から池袋に住み、主に新宿・歌舞伎町で女性を風俗店などに斡旋する「キャッチ」の仕事をしていた。近隣の住民男性はこう話す。
「スカウトの仕事は知りませんでした。ただ気になっていたのは、うちから見えるご実家の2階にある息子さん(白石容疑者)の部屋の窓が、夏でもずっと締め切られていた上に、ビニールのような布で目張りがされていて、ずっと不気味に思っていたんです」
白石容疑者はその後、8月22日に実家から車で10分ほどの距離のアパートに引っ越した。社会部記者は言う。
「父親が不動産会社に電話をして、入居の手続きを進めた。あと10日ほど待って9月から入居すればフリーレント(入居後1か月の家賃無料)でお得だというのに、“いいからすぐに入りたい”と中途半端な22日からの入居となった」
それからわずか2か月で9人を殺害し、遺体を解体したと供述している。「首吊り士」の名前を使ってネットを通じて誘い出したとみられる女性らの遺体は、頭部が切断され、肉がそぎ落とされている状態だった。
「現場の状況も、供述も、違和感しかない」
そう話すのは、元神奈川県警刑事でジャーナリストの小川泰平氏だ。遺体が発見された白石容疑者の6畳の狭いワンルームには8つのクーラーボックスが、壁や窓に沿うようにL字型に置かれていた。