神奈川県座間市のアパートの一室で、男女9人の遺体と“同居”していた白石隆浩容疑者(27)。同容疑者は遺体について、「10代後半が4人、20代くらいが5人」と細かく供述した後に、「わからない」と言い出すなど、証言は二転三転した。
「『全員同意を得ずに殺した』などと自らが不利になる供述をしていて、警察も心理状態を計りかねている。部屋からは頭部以外に何人分かの臓器も出てきたが、腐敗が進んでいて、司法解剖では死因の特定すら困難である可能性が高い」(社会部記者)
警視庁は10月31日に白石容疑者を逮捕し、翌11月1日に送検している。供述通り、複数を殺害したという事実が認められれば最高刑は死刑となる。
「問題なのが、同意を得ずに殺害したという自供をひっくり返して、公判で『自殺志願者に頼まれて殺した』と主張して認められた場合です。
嘱託殺人の法定刑は最高でも懲役7年、複数なので併合罪となっても10年半。さらに『自殺した死体を切り刻んだだけ』という主張になると、死体損壊・遺棄となり3年以下の懲役で併合罪でも4年半。執行猶予がつくケースもあります」(アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士)
事件はまだ、多くの謎を残したままだ。
※週刊ポスト2017年11月17日号