ライフ

低栄養状態 通常の食事で1か月後の体重が3%減なら要注意

高齢者の低栄養に注意(写真/アフロ)

 普段意識はしないが、食べるという行為には口の中や喉、体の筋肉を使う。高齢者にとっても、口から食事ができるかどうかで、要介護度も違ってくるのだという。

 それでも口の中の状態が悪くなり食べにくくなってきたら、食事を細かく刻んだり、やわらかくするなど、調理の工夫をして、しっかり栄養を摂り続けることも大切だ。神奈川県秦野市にある鶴巻温泉病院の管理栄養士で、在宅訪問栄養食事指導も行う高崎美幸さんが言う。

「食べにくくなるのも、原因がいくつかあり、どこに障害があるかによって食べやすい介護食の形も違います。

 たとえば歯が悪くなり、よく噛めないなら、食材を細かくする“刻み食”。舌の動きが悪く食塊が作りにくいなら、よく煮込むなどでやわらかくまとまりやすくした“ソフト食”。のみ込む力が足りないなら、ペースト状やゼリー状にする“ミキサー食”がおすすめ。

 またゆっくりと食事に集中できる環境を整えたり、同じ物性(やわらかさや水分、形状など)のものを集中して食べられるよう1品ずつ食べるなどの工夫も有効。咀嚼や嚥下しにくいものを避けるのも賢明です」(高崎さん・以下「」内同)

 口の中の不具合は、本人が伝えてくれないこともある。

「食べにくい食事で食べる量が減ったり、逆に食べる力を過小評価し、やわらかすぎる食事で摂取栄養が減ったり、食欲が減退したり、いずれも低栄養になってしまいます。

 低栄養状態に気づく方法としては、体重が目安になります。通常の食事をしていて1か月後の体重が、3%減(体重50kgの人なら1.5kg減)なら要注意。5%減なら、かかりつけ医や栄養士に要相談です。

 高齢者にとって食事は重要なものではありますが、何といっても食べることは人生の喜びです。

 心配な病気がなければ、まずおいしいもの、好きな料理を。制限のある人は、そこから大きく外れない程度に楽しんで。

 ご家族も介護食作りや家庭内での栄養管理に神経質になりすぎてストレスにならないように、市販品なども上手に利用しましょう」

 栄養管理も含めた摂食・嚥下障害の相談は、かかりつけ医のほか、摂食嚥下外来がある病院、咀嚼・嚥下に詳しい歯科医でも可能。また健康サポート薬局などに栄養士がいる場合もある。

※女性セブン2017年11月16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン