これまでの人生で400以上の温泉を巡ったという女性セブンの名物記者“オバ記者”こと野原広子が、とっておきの温泉を紹介する。
■喜連川 早乙女温泉(栃木県)
住所:さくら市早乙女2114
JR宇都宮線氏家駅からバスで約10分。徒歩10分。無料送迎バスあり
営業時間:10~17時/1050円、17~20時/650円
定休日:木曜
泉質:含硫黄、ナトリウム・カルシウム、塩化物温泉
源泉は地下1300mから動力ポンプでくみ上げ、浴槽から約15m高い貯水タンクに一度入れ、高低差を利用し73℃の高温泉を加水して温度調整の後、浴槽に流し入れている。そうしないと、成分が濃く、源泉温度が高すぎるそう。温泉成分が濃すぎて機械類は1か月で故障し、交換している。
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遠くに行きたい。無理なら、行ったような気分になりたい。日帰り温泉は、日常から“ちょい逃げ”のためにある、と私は思っている。
上野から宇都宮線に乗って約2時間。早乙女温泉にカラオケ、ゲーム、卓球などの娯楽はいっさいなく、あるのはお風呂と、静かな大広間。それから滋味あふれる料理だけ。
しかし、人に勧められて初めてここを訪れた時の衝撃といったらなかったわ。お風呂から出たら体中から力が抜け、畳に座布団を並べて30分ほど爆睡。それだけじゃない。帰りの電車の中で、寝るわ、寝るわ。夜もベッドに入ったら、うんもすんもない。朝まで一度も目が覚めなかったもんね。
連れ込んだ友人は、「湯船に入ってすぐ、腸がぐりんと動き出したよ」(48才・女)とか、「重度の肩こりが10日間消えた」(56才・男)と大絶賛。
だけど、ここまで強烈なお湯だからこそ、入浴のコツもあってね。お湯の中で肩まで沈むのは、せいぜい5~10分。
湯船の周囲の石に腰かけたり、ちょうどいい石をベッドに見立てて胴体だけお湯に入れて、手足は外。こうすると長湯ができて体の芯の芯まで温泉成分がしみ込み、効果が持続するというのが私の実感。
逆に、決してしてはならないのは、湯船から出て体を乾燥させること。強い塩分のせいで体中がかゆくなるのよ。
こういう“べからず”があるから本格温泉、と私は思っているんだけどね。
※女性セブン2017年11月23日号