美容整形がいかに一般的になったといっても、日本では隠したい人のほうが大半だろう。中国人の場合は異なるのだという。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。
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中国で韓国に負けず劣らず盛んなことの一つが女性の整形手術である。
いま中国の観光客は韓国への足が遠のいている。この現象を引き起こした主な原因は、韓国に高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)が配備されたことに対する反発だが、二つの目の理由を挙げれば、それ中国人女性が韓国で整形手術を失敗するケースがあまりに多かったことになるだろう。
いずれにせよ顔にメスを入れることに抵抗を覚えない中国人は、整形してきれいなることは「努力」として称賛されるべき行為と考えている。だから、もちろん大っぴらで、人によっては術前と術後を写真にとってネットにさらす者もいる。
さて、そんな中国でちょっと驚くべく騒動が起きた。場所は広東省の省都・広州市の玄関である白雲空港であった。
騒動を伝えた『看看新聞』(9月12日)のタイトルはこうだ。
〈計16回も整形した女性が「写真より美人」という理由で空港で止められる〉
これは笑い話のようだが、中国では空港に「他人の証明書を使ったものは10日間の拘留」とはっきり書かれた看板も掲げられている。結局、この女性の身分は証明されたのだが、彼女が大切な旅行の時間を大幅に失ったことは言うまでもない。