北朝鮮情勢対応に慌ただしい防衛省内で1枚の文書が物議を醸している。「日本の次期戦闘機座談会参加メンバー各位」と題された書面には、差出人として森本敏氏の名前があった。元防衛相で現在は防衛大臣政策参与を務めている。そこに記されていたのは同氏による「謝罪」だった。
〈省内要職にある方々の中に、本件プロジェクトに対する反対意見や懸念が広がり、本省関係者を含め、以降の座談会参加を控えるよう指示が出された〉
〈省内に「要らざることをする奴」との強い反対が起こるようでは、到底、実現はおぼつかず、小官の基本的な対応の誤りという結果になりました〉
〈多くのメンバー諸兄や関係要人には多大なるご迷惑をおかけし、また極めて不快な思いにさせてしまったことにつき衷心より深く深くお詫び申し上げます。現時点ですべての活動を停止します〉
一体、何があったのか。防衛省幹部が明かす。
「この座談会は、森本氏が防衛省幹部や国会議員、重工業企業顧問などを招いて開いた研究プロジェクトだ。自衛隊が保有する戦闘機を分析し、次期戦闘機の導入について議論しようというもの。その目的ゆえ戦闘機の性能などについてかなり突っ込んだ内容の資料も必要とされていたため、省内には“機密漏洩に繋がりかねない”と反対意見が上がっていた。それを知った小野寺(五典)大臣は“一切聞いていない”と憤慨したようだ」